ポップ2019

アニメやロマンノワール、映画などについてまとめていきます。

夏向きのプレイリストを作ったから見てくれ

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 やぁ、申し訳ない。タイトルに若干の偽りがあるんだ。実はこないだのAORのプレイリストの続きなんだよね。夏向きだのサマービーチで聴こうみたいなこと言っておくと、ちょっとは釣られてくれるかな、なんて。真実も含まれてるぞ。AORは夏向きの音楽であることには間違いないから。

 あー、だからだな、決してこないだのプレイリスト作るときに、ソニーから2回に分けてリリースされることを知らなかったわけじゃないぞ。ホームページに「7.27 Release」と「8.17 Release」の表示があるのを見逃したわけでもない。いやいや、断じてないんだ。焦って作り直したみたいなことを言うのはやめてもらおう。キミたちの勘違いは度し難いな。まー、いい。とにかくプレイリスト第6弾もAORだ。8月17日リリースのアルバムから選んだ。

 AORはアニメファンにもおすすめなんだ。こないだはマクロスのリンミンメイを引き合いに出したけど、1980年代から今に至るまで、この辺りのサウンドがアニソンに与えた影響は大きいと思う。聴いたら納得してもらえるんじゃないかと。どのようなタイトルがリリースされるのかは、下のリンクで確認して欲しい。そこから買っても白瀬コウには1円も入らないので安心してもらいたい。むしろソニーは金くれ。

www.sonymusic.co.jp

 AORが不幸なのは、一部のシャレのめした人たちに持て囃されるというか、もてあそばれたおかげで、妙なイメージを持たれていることだ。オールドロックファンには、ロクに聴きもせず偏見を持って過少評価している人も多い。2016年に若者であろう人にこそ、そういう色眼鏡なしで判断してもらいたいんだ。音楽がアクセサリー代わりになるのは致し方ないことだが、やり過ぎはいけない。昔の流行を後から笑いものにするのは結構だ。しかし、音楽そのものには何の関係もなかろう。AORは典型的に不幸な例なんだ。クオリティの高い音楽だし、埋もれされておくのは惜しいと思う。

 いつものようにインスト曲が最後で、ほぼ1時間になるように作っている。夏の浜辺で長門有希と一緒に聴きたい。きっと気に入ってくれるだろう。

 

1.City Magic / Les Dudek

レスデューデックは、デュアンオールマン亡き後のオールマンブラザーズバンドに加入して、『Brothers & Sisters』というアルバムの制作にたずさわった名ギタリスト。1976年に自らの名前を冠したアルバムでソロデビュー。『シティマジック』はその1曲目。サザンロックとAORは実は結構相性が良い。数多くの名盤が出ている。今回のシリーズでも注目すべきアルバムだと思う。

2016年8月14日に更新→上記映像Youtubeより削除

同様にこのシリーズからリリースされるレスデューデックの1977年発表のアルバム『Say No More』の7曲目。

 

2.Who's Right,  Who's Wrong / Pages

後に大成功を収めるMr. Misterというグループの前身となったバンドがペイジスで、AORを代表するグループとして知られる。これは1979年発表のセカンドアルバム『Futur Street』の5曲目。名曲である。

 

3.Angel Heart / Jimmy Webb

ジミーウェブはソングライターとして数多くのヒット曲を世に送っている才人で、1982年に『Angel Heart』というソロアルバムを出している。タイトル曲が1曲目。シンガーとしてのアルバムはこの1枚しかない。名盤として知られる。

 

4.Don't Talk / Larry Lee

ラリーリーはカントリーで活躍してきたバンドマンらしいバンドマン。ジミーバフェット(って知らないよね)のバックバンドでギターを弾いていた人。なぜか1枚だけアルバムを残していて、どういうわけか日本でとっても流行った。1982年発表の『Marooned』というアルバムの2曲目。邦題は『ロンリーフリーウェイ』という。なんだか言ってて恥ずかしいが、仕方ない。

 

5.Living Inside Myself / Gino Vannelli

ジノヴァネリはヒット曲も多いし、知っている人も多いと思う。この人を知らなくても、曲はどこかで聴いたことがあるんじゃないかと。大げさなくらいに盛り上がるバラードを得意とする。これは1981年発表のヒットアルバム『Night Walker』の6曲目。

 

6.Song For A Sucker Like You / Ben Sidran

ベンシドランはとにかく色んなところに顔を出している人なので、名前は知られていると思われる。「Dr. Jazz」という愛称を持つ人。シンガーというより、ジャズ寄りのピアニスト、オルガニストとして有名。1970年代にはこういったAORのアルバムを出していた。これは1977年発表の『Doctor Is In』という名盤の2曲目。有名な曲なので、どっかで聴いたことがある人も多いんじゃないかと。そうそう、これなんだよ。

 

7.Next To You / Dan Siegel

ダンシーゲルも現役で活躍している。いわゆる「スムーズジャズ」という分野を開拓したうちのひとり。 1981年発表の『Going Home』ではボーカリストにケニーランキンを招いている。その3曲目。典型的AORサウンドである。当時のAORと、今のフュージョンやジャズとのつながりが良く理解できるアルバムだと思う。そういう意味では古びていない。夏向きのアルバムとしておすすめしたい。

 

8.Livin' It Up / Bill LaBounty

ビルラバウンティも人気が高いシンガー。楽曲は日本のドラマの挿入歌として使われたことがある。ソフトロックとして紹介されることもある。その方面の方々にも評価が高い。これは1982年発表の、自身の名前を冠したアルバムの1曲目。当時の腕利きを揃えた豪華な布陣で録音されている。名演奏の宝庫と言っていいアルバムである。

 

9.If Looks Could Kill / The Player

おそらくAORで最大のヒット曲であろう『Baby Come Back』という楽曲を発表している、プレイヤーという何のヒネリもない名前のバンド。今でも各国で人気があって、しっかりツアーなんかをしている。レコード会社を移籍して1982年に発表した5枚目のアルバム『Spice Of Life』の1曲目。典型的なAORのサウンドである。

 

10.Breakaway / Art Garfunkel

サイモン&ガーファンクルの髪の毛が爆発してる方の人。デュオ解散後は味のあるシンガーとして名盤を連発している。有能なプロデューサーに依頼し、良い楽曲を選んで、腕のいいミュージシャンを揃えてレコーディングするという当たり前のようでなかなか出来ないことを難なく成功させている。ロックとしてならポールサイモンだろうけど、AORなら断然アートガーファンクルだよ。ソロになって2枚目のアルバム『Breakaway』は1975年発表。そのタイトル曲にして1曲目。ギャラガー&ライルという最高のデュオの楽曲のカヴァー。気に入ったらぜひオリジナルの方も聴いてもらいたい。

 

11.Hunters Of The Night / Mr. Mister

ペイジズを解散させて、キーボードプレイヤーとベーシスト兼ボーカリストが結成したバンドがミスターミスターで、『Kylie』『Broken Wings』が大ヒットして世界的な名声を得ることになるが、その直前の1984年にデビューアルバム『I Wear The Face』を発表している。その1曲目。アルバムはポップで聴きやすい楽曲が揃っている。

 

12.Breaking Away / Balance

今回のソニーのシリーズからは、なかなか珍しいアルバムも出ることになっている。バランスという何とも言い難くセンスのない名前のバンドのファーストアルバムも出る。自身の名前を冠した1981年発表のアルバムである。これはその3曲目。シングルカットされていて、そこそこのヒットになっている。なんと、彼らは地味に今でも活動している。それなりにファンがいると見られる。

 

13.Stephanie / John Valenti

AORが好きな人なら、絶対に知っているであろうジョンヴァレンティ。特にこの曲は有名なはず。名曲である。1981年に発表した『I Won't Change』というヒットアルバムの7曲目。このシリーズで何を最初に買ったらいいか分からないという人は、このアルバムをおすすめする。大丈夫。名盤だから。ちなみにアルバムの邦題は『女はドラマティック』である。なんだそれは。

 

14.Lies / Jonathan Butler

南アフリカ生まれのジョナサンバトラーというギタリスト兼シンガー。1987年に自身の名前を冠したアルバムを発表している。捨て曲なしの超名盤である。強くおすすめしたい。これはその1曲目。楽曲、歌唱、アレンジ、そして自身のギタープレイは絶品である。愛してやまない。素晴らしい楽曲だ。それと観てくれこの最高のPVを。ピンと来たら絶対購入しよう。損はさせない。このアルバムとともに楽しい夏を過ごしてくれ。そして白瀬コウと友達になろう。ジョナサンバトラーが好きな人はみんな友達だ。世界がすべてこんなふうだったらいいのに。

 

15.Toto / Don't Stop Me Now

このバンドについての説明は不要だろう。世界的に有名。ナンバーワンヒットを連発したアルバムは4作目。これは1986年発表の6作目のアルバム『Fehrenheit』の10曲目。トランペットはマイルスデイヴィス。

 

 以上だ。これでほぼ1時間になる。

 

 AOR第2弾は渋目の楽曲が揃ったように思う。Totoは今さらなんで、有名な曲は外してある。ソニーの今回のシリーズには、他にもサンタナがバリバリのサンバを演奏しているアルバムや、一時期中古盤がプレミア価格で高騰していたものなど多彩なアルバムが含まれる。

 気に入ったものがあったらぜひ購入して欲しい。だって1000円だよ。長く愛せるアルバムばかりだ。それが1000円で買えるなんて、良い時代になったなと思う。

 

 ロックには数多くのサブジャンルがある。そのときどきの流行に左右されるのは仕方のないことで、誰を責めても意味がない。せめて自分の好きなものについては、言葉を尽くして褒め称えるのが良いと思う。それをどう楽しんでいるのかも同様に伝えられたら、なおのこと良い。ロックが好きな人が多ければ、その分世界は平和だ。

 

 またね。暑い季節だ。元気で暮らしてくれ。