ポップ2019

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AORでプレイリストを作ったから見てくれ

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 急な話で悪いんだが、2016年7月27日にソニーミュージックから「AORの名盤100選」という1000円CDシリーズが販売される。これは黙っていられないわけなんだよ。AOR大好きだからね。はいそこのキミ、「この人バカロック専門家なんじゃないの?」とか言わないように。それはそれ、これはこれだよ。AORでプレイリストも作っているが、今回はこのシリーズで販売されるもの向けに編集し直した。かなり楽しい。

 AORというジャンルは1970年代から80年代にかけて流行して、その時代を生きた人以外は、今やまったく誰も聴こうともしないし、むしろ恥ずかしい歴史のように思われているフシがあるんだよ。それは絶対に間違っている。今の音楽ではあり得ないゴージャスさと聴き応えのある名盤が揃っている。今はこういうアナログ録音ならではのリッチな雰囲気の音楽はほとんど制作されることはないと思う。この時代のこのアルバム群でないと味わえないものがあるんだよ。ぜひ知ってもらいたい。

 そこで、プレイリスト第5弾で陰ながら応援することにした。先入観なく聴いて欲しい。気に入ったらぜひ購入しよう。長く愛せるアルバムばかりだと思う。高品質のロックといったら、AORだ。カフェバーとか田中康夫とか、そんなのはどうでもいいんだよ。それは過去の流行で、残った音楽にはまったく関係ない。こいつらのせいでAORがどれだけ勘違いされてきたか。今こそ偏見なしで聴けると思う。

 上に掲げたアニメ絵の女性が誰なのか分かる人、そして彼女の歌う楽曲が好きな人におすすめだ。キミらは愛おぼえてますかどうなんですか。絶対に気に入ってもらえることを請け合う。1枚1000円だ。買うべし。ちなみにこのブログはアフィリエイトにはまったく関係ない。というか、そういうことでも言っておかないと読んでもらえないネット文化ってどうなのよ。まー、いいか。とにかくおすすめだ。

www.sonymusic.co.jp

 どういうタイトルがリリースされるのかは上記リンクで確認してもらえればいいと思う。夏向け音楽だし、リゾート気分にもひたれると思うので、この機会にどれか買って聴いてみよう。

 いつものように、ラストがインストで、それが終わるとほぼ1時間経つように作ってある。ちゃっかりシリーズ以外の曲も入れてあるので要注意だ。

 

 1.Boz Scaggs / Hollywood

『We're All Alone』で大ヒットを記録したボズスキャッグスが、その翌年の1977年に発表したアルバム『Down Two Then Left』の6曲目。問答無用の弩級ポップスである。どう考えても最高だ。ディスコのキーラチューンとしても有名。

 

2.Karla Bonoff / Trouble Again

みなさんにお願いしたい。この人の楽曲に触れないまま生涯を終えないで欲しいんだよ。アメリカ西海岸の歌姫と言ったらカーラボノフだ。1979年に発表した『Restless Night』(なんて素敵なタイトルだろう)の1曲目。アルバムの邦題は『ささやく夜』、この曲の邦題は『涙に染めて』である。『AOR CITY 1000』の中でも白眉となるアルバムだと思う。長く付き合えるアルバムになることを請け合う。

 

3.Ned Doheny / Each Time You Pray

AORの決定的名盤と呼ばれている1976年発表のネッドドヒニー『Hard Candy』の3曲目。超が付くくらいの傑作だ。「AORって何だよ」と質問してくる宇宙人にはこれを聴かせると良いと思う。キミたちもおそらく宇宙人なので、『Hard Candy』を聴くべきだ。シリーズから1枚だけ選ぶと、このアルバムになると言っておこう。

 

4.I Don't Want You Anymore / Bill Champlin

「Voice of AOR」と称されるほどの存在。シカゴに加入していた時期もある。数多くの受賞歴を持つ大物である。1978年発表の『Single』(邦題は『独身貴族』)という名盤の2曲目。オシャレ過ぎず、かといってダサくなく、適度にソウルも感じさせるという絶妙の配分である。

 

5.You're Only Lonely / J.D. Souther

AORの代名詞と言ってもいいほどに有名な楽曲。1979年発表の同名アルバムの1曲目。イーグルスへの楽曲提供で知られており、「6人目のイーグルス」という異名も持っている人。アルバムは気軽に聴けるが、どうってことないところに手間がかかっていて、職人気質を感じさせる名盤である。ジャケットもカッコいい。

 

6.Seeing You / Jimmy Messina

この人は「Jim」と「Jimmy」の両方の表記があるんだが、どっちが正しいんだ。これは1979年発表の『Oasis』という名盤の3曲目。AORの名曲として知られる。発表当時はレコード会社の方針に合わないということで、文句を言われたらしい。夏の夜に聴くのにぴったりのアルバムである。おすすめしたい。

 

7.Cryin' All Night / Airplay

エアプレイが1981年に発表した唯一のアルバムの2曲目。捨て曲なしの名盤である。時代の空気がいっぱいに詰まったアルバムなので、ぜひ聴いてもらいたい。懐かしさで一杯になるであろう。何も足りないところのない完璧なアルバムの1つだと思う。

 

8.Musician (It's Not A Easy Life) / Silver

1976年にファーストアルバムを出したっきりで解散してしまったシルヴァーというバンド。その唯一のアルバムの1曲目。AORという音楽の魅力が詰まったアルバムである。この機会にぜひ聴いて欲しい。マニアの間ではかなり有名なアルバムである。

 

9.Paul Davis / I Go Crazy

AORというと、ポールデイヴィスを思い出すという人も多いと思う。AORブームの火付け役となった人である。ウエストコースト・軽いフォーク調・暖かなカントリーの雰囲気・レイドバック・甘いメロディーラインと、AORという音楽の持っている特徴をすべて兼ね備えた楽曲である。1977年発表の同名アルバムの1曲目。

 

10.Copacabana(At the Copa) / Barry Manilow

バリーマニロウは無敵。1978年発表の『Even Now』の1曲目。最高の楽曲だ。

 

11.Can't Smile Without You / Barry Manilow

『Even Now』はあまりにも名盤であるため、2曲おすすめしておく。素晴らしいアルバム。大好きだ。オリジナルはカーペンターズだが、もしかしたらこっちの方が有名かもしれない。

 

12.Ooh Child / Valerie Carter

ヴァレリーカーターは、このリストで最も知名度は低いんじゃないかと思う。しかしだ、1970年代から2000年くらいにかけてポップ系のロックを聴いていた人は、自分の持っているアルバムにこの人がコーラスで参加してるかもしれないから確認してみよう。これは1977年発表の『Just A Stone's Throw Away』の1曲目。他の曲もいいよ。

 

13.Heart To Heart / Kenny Roggins

後にフットルースで世界的大ヒットをかっ飛ばすケニーロギンスが、1982年に発表したアルバム『High Adventure』の6曲目。80年代らしい音作りのアルバムである。名曲が揃っているのでおすすめだ。

 

14.Room 335 / Larry Carton

最後のインストはこれで。ラリーカールトン自身の名前を冠した1977年発表のアルバムの1曲目。好きで好きでたまらない。名曲にして名演奏。

 以上だ。これでだいたい1時間くらいになる。ちょっと超えてる程度だと思う。最初はバリーマニロウを1曲にしようとしたんだが、無理はしないことにした。だって最高だから。分かってもらえるとありがたい。最初に言ってたことだけど、実際に『AOR CITY 1000』に入ってないのは最後の曲だけなんだ。騙してすまない。そんなつもりはなかった。というのは嘘で、いいチャンスなんでラリーカールトンを出したかっただけなんだ。悪く思うなよ。雰囲気ぴったりじゃん。

 

 さすがAORで、今まで作ったプレイリストの中で最高に完成度が高いように感じる。良い曲しかない。まるで自分も良い人のように思えてきた。勘違いだと思うが、幸せな勘違いなのでそこは指摘しないようにお願いしたい。

 気に入ったものはあっただろうか。ぜひとも購入まで至って欲しいと思う。どれでもいい。すべて名盤だから。夏の暑い日に、クーラーの利いた部屋でアイスでも食べながら聴くといいと思う。テレビなんて消しなよ。生活の質の向上はテレビを消すことから始まる。観るのはアニメだけで充分だ。

 

 またね。暑い日々がやってくる。元気で暮らしてくれ。