ポップ2019

アニメやロマンノワール、映画などについてまとめていきます。

ポップ職人でプレイリストを作ったから見てくれ

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 バカ度を上げたプレイリストも良く閲覧されているようで、大変に喜ばしい。Youtubeは音質がアレだし、ちゃんとしたものはCDで買うか、ダウンロード購入して聴くといいと思う。最初から言っているけど、すべてアルバム単位で聴いても損のないものを選んでいるつもりなのさ。そこは信じてくれたまえよ。

 プレイリストの閲覧はされているものの、キミたちは何の感想も言って寄こさない。だから勝手に好評という方向で判断している。今さら文句を付けられても一切引き受けることはできない。次々と発表することにした。止めても無駄と解釈してもらいたい。

 第4弾はポップ職人たちで作ったプレイリストを公開する。幸せな感じのプレイリストになっているので、ぜひ聴いてほしい。「パワーポップ」というジャンルを知ってはいるが、良くイメージのつかめない人にもおすすめしたい。

 今回はこんな感じで選んだ。

1.ポップにおける職人芸を発揮していると思えるもの。

2.聴きやすくて、以後も長く聴けるもの。

3.短くて、明確に良し悪しの判断のつくもの。

 だいたいこんなところだ。

 いつものように、インストがラストで、この曲が終わったところでほぼ1時間経つように作っている。時間を計るのに使うといいさ。役に立つと思う。琴吹紬放課後ティータイムのポップ職人。モフモフしたい。

 

1.Messenngers / That's The Way A Woman Is

 有名な曲。知らない人はいないだろう。「え、こんなタイトルの曲知らないよ?」と思ったキミ、さっそく聴いてみよう。爆笑するぜ。この映像も最高だ。メッセンジャーズのこの曲は日本で特に有名で、アメリカではたいしてヒットしていなかったりする。かつては「日本向け洋楽」というヘンなジャンルが存在し ていて、その代表曲でもある。

 

2.The Rasberries / Go All The Way

 ラズベリーズは1970年代前半のアメリカのバンド。この曲がおそらく最大のヒット。「パワーポップ」と呼ばれるジャンルの典型的サウンドである。今でもファンは多い。気に入ったらぜひ購入して聴いて欲しい。ウルトラ満足することを請け合う。

 

3.Roy Wood / Angel Fingers

 ロイウッドは60年代から80年代に至るまで活動したポップ職人を代表する人。気になったら「Birmingham Beatsters」という単語で調べてみると良い。色々なバンドに関わりのある人で、本人もギターからドラムから何でもできるマルチプレイヤーだった。アルバムも良いものをたくさん出している。

 

4.Todd Rundgren / All The Children Sing

 達人。トッドラングレンは1960年代終わりから2010年代までずっと活動しており、多数のバンドやアーティストのプロデュースでヒットを出している有能極まりない人。本人名義のアルバムも数多い。これは1978年発表の「Hermit Of Mink Hollow」という素敵なタイトルのアルバムの1曲目。名曲である。一人多重録音のコーラスがすごいんだよ。

 

5.Van Duren / Grow Yourself

 おそらく、このリストで最も知名度は低いと思う。1970年代にメンフィスで活動していたヴァン・ダーレンという伝説的な人物。「Are You Serious?」というポップスの名盤の5曲目。ラズベリーズからのロイウッドからのトッドラングレン(すべて大物)の次の曲としてまったく遜色ない。ぜひCDを再発すべきだと思う。

 

6.Brian Wilson / This Could Be The Night

日本では山下達郎のカヴァーで有名な曲。作曲者のハリーニルソンのトリビュートアルバムでブライアンウィルソンが歌っている。くわしい経緯はwikipediaを参照して欲しい。

This Could Be the Night (1966 song) - Wikipedia, the free encyclopedia

拍子抜けするほど普通にレコーディグされているが、それだけに味わい深い。

 

7.Badfinger / Baby Blue

バッドフィンガーは様々に不名誉な枕詞付きで紹介されているグループだ。調べてみると、嫌ってほど出てくる。地味にいい曲を作り続けたバンドであるに過ぎない。あまり先入観なく聴いて欲しい。長く聴けることを請け合う。

 

8.Starbuck / Moonlight Feels Right

 スターバックは1970年代のポップロックを代表するバンド。最も有名な曲はこれだと思う。美しいけれども、どこか間違った感じがいつまでも残る。不思議な味わいは永遠に失われない。

 

9.10cc / Blackmail

10㏄の『オリジナルサウンドトラック』というモンスター級のアルバム。『パリの一夜』からの『アイムノットインラブ』からの次の曲がこれ。このアルバムの凄さを一言で表すと、この曲が最も地味な部類に入る。

 

10.Peter Frampton / Show Me The Way

ピーターフランプトンという愛すべきミュージシャンの1976年の大ヒット曲。こればかりが有名なイメージがあるが、ポップで楽しい曲をたくさん作っているのでおすすめしたい。

 

11.Jellyfish / New Mistake

ジェリーフィッシュという1990年代のパワーポップを代表するバンド。結局2枚しかアルバムは出していないが、ポップファンには名バンドとして知られる。これは2枚目の『Spilit Milk』の4曲目。

 

12.XTC / The Ballad Of Peter Pumpkin Head

XTCは数多くのポップの名盤を発表している殿堂入り的なグループ。これは後期の『Nonsuch』というアルバムの1曲目。小難しいことやヒネクレたことを散々やりつくした末に、こういう素直な楽曲を出せたところが偉大だと思う。

 

13.Mathew Sweet / Evangeline

 日本好きであることでも知られるマシュースイートの代表作『Girlfriend』の6曲目。これは名盤なので、すべてのロックファンに聴いて欲しい。今は女性ボーカルとコンビでカヴァー集を出している。ちょっと変人っぽいところ(はっきりとオタクだ)もグッド。

 

14.Aztec Camera / Pillar To Post

泣く子も黙るネオアコの代名詞である。みんなこんな風になりたかったんだよ。1982年発表の代表曲。リーダーのロディフレイムはこのとき若干18歳。イントロのギターのカッティングに青春の痛みと甘酸っぱさが目一杯詰まっている。名曲にして名演奏。

 

15.Eagles Of Death Metal / Complexity

イーグルスオブデスメタルは2000年代に突如出現したポップユニット。イーグルスともデスメタルとも関係ないところが良い。職人気質で茶目っ気たっぷりなユニットである。別の意味で有名になってしまったが、今後も頑張ってもらいたい。彼らの音楽を聴いていると、ロックって自由だなぁという思いになる。

 

16.Henry Mancini / Petergun

最後はこれで。知らない人はいないほどに有名なインスト。というかドラマのテーマ曲である。多くのミュージシャンにカヴァーされている。今なお衝撃的でカッコいい。ロックではないけどね。ポップなインストというと、どうしてもこのあたりを挙げたくなる。

 

 以上だ。これでだいたい1時間になる。楽しんでいただければ幸いだ。この間公開したバカ度アップのプレイリストは攻撃的だったが、一転してポップ職人リストはハッピーな感じになっていると思う。満足である。

 

 ロックという音楽は面白くて、高尚なものにひたってご満悦だったところに、後頭部をスリッパでひっぱたくようなヤツらが登場するのがお約束になっている。常に新しい試みが行われているし、何が次に出てくるのか分からないジャンルである。「今の音楽はまったくなっていない」と文句をつける高齢なロックファンもいるし、「昔の音楽なんてゴミばっかだ」という若者もいて、両方とも間違っている点が素晴らしいと思う。かといって、何が正解なのかまったく分からないというところもロックの魅力だ。

 

 またね。元気で暮らしてくれ。